廃れた心にカセットイン!

ドーモ、皆さん。廃児部長と申します。ライトなゲームからヘビーなゲームまで、ゲームばっかりの人生が書き連なっております。 Twitter: @seta0421 PS ID: GN Strike

言葉のいらない、確かな絆の物語

ドーモ、皆さん。ペットや近所の野良猫など、動物と戯れてますか?

 

私は今日始まったSTEAMサマーセールのラインナップを見て、どれを買ったものかとお財布と相談する時間が続いておりますw

 

そんな中、つい先日に一つのゲームをクリアいたしました。

前にもちらほら書きましたけどね。

 

[ 人喰いの大鷲トリコ ]

f:id:haiji-gm:20170623160627j:plain

感想から先に書いてしまうと、本当に素晴らしかった!

ざっくりとあらすじもご紹介しますね。

 

物語は、わずかな光が降り注ぐ洞窟から始まります。

主人公の少年(恐らく12歳前後)が見知らぬその場所で目を覚ますと、いつのまにか体中に謎の文様が刻まれていて、目の前には一匹の強固な鎖につながれた大鷲のトリコが怪我をして倒れていました。少年は若干怯えながらもトリコを開放し、鎖を解いてあげます。少年はその後、洞窟から抜け出して外に出たのですが、すっかり少年に懐いてしまったトリコがついて来てしまうのです。そこから、一人と一匹の謎の城からの脱出劇が始まります。

 

さて、このお話は全体を通して、誰かの語る物語として話が進行していきます。何せ会話という会話が一切と言っていいほどありませんからね。補足のためには語り部が必要です。

このゲームのキャッチコピーも、

 

"思い出の中のその怪物はいつも優しい目をしていた。"

"少年と巨獣が紡ぐ、新たなる神話"

 

と、ふたつ併用されています。

 

私がどうしてこの物語を素晴らしいと思ったか、それは少年とトリコの絆にあります。

 

f:id:haiji-gm:20170623164407j:plain

 

少年とトリコは言葉でのコミュニケーションをとることが出来ません。ただ一方的に少年が話すだけです。でも城から脱出するにはトリコとの協力が必要不可欠です。ならば、どうするか?

 

もし全く知らない言葉を話す外国人に道を聞かれた場合、あなたならどう伝えようとしますか?

言葉で答えることに自信が無い場合、身振り手振りでわちゃわちゃしながらジェスチャーで伝えようとするはずです。

「この道を行くんです」とジェスチャーで伝えようと思ったら、道先を指さしますよね。

 

それと同じです。

一つの例を挙げましょう。扉を開けるには上の穴から抜けなくてはならないのに、少年の背と腕力では壁をよじ登るなんてできません。そこで、体の大きなトリコに土台になってもらいたい。その意図を伝えるためにトリコの名前を呼びながら壁を指さして飛び跳ねたり足踏みしたりします。

この姿を最初見たときは面白くて笑ってしまいましたが、年齢相応の必死さが滲み出てて途中から可愛らしく見えてきましたw

 

最初はその姿を見たトリコも「???」と頭に浮かんでいるような表情を見せますが(可愛い)、次第に理解して、こちらの意図を理解してくれます。

ここが、本作の重要な部分です。

プレイヤー視点の私は最初、トリコと出会った時に「怖い」「喰われる」「近寄りたくない」と素直に感じました。だってめちゃくちゃ怒ってるんだもの。でも、怪我をしているトリコを見て、純粋に助けたいと思ったのです。探索を進めていく最中も、「トリコ!ここ上らせて!フンスカ鼻息鳴らしてないで!!」って若干半ギレ気味に思ってたんですけども、その後も進んでいくうちに、とても頼れる最高の相棒だと感じられるようになりました。

 

トリコが先に行ってしまって、少年では到底飛び越えられないような溝の向こう側でこちらを向いてきます。画面内には何のお決まりの指示の言葉もありません。ただトリコの表情を見ると、「信じて!」と言わんばかりに綺麗な瞳でこちらを見つめてきます。「じゃあ信じていいんだな!?」と、意を決して「トリコぉぉぉぉぉ!!」と叫びながらジャンプ!・・・・・ところが飛距離が足りなくてギリギリトリコに届かない!

これは死んだ、と思ったその時です。

 

f:id:haiji-gm:20170623171721j:plain

 ちょっと少年が苦しそうだから早く下してあげてw

 

なんとトリコが身を乗り出してくちばしでキャッチしてくれました!

これには私も感動の嵐!なんて出来た子なんでしょ!と大はしゃぎしました。

 

こんな風に、場面の各所でお互いのピンチを助け合いながら進んでいきます。少年がトリコを助ける場合も多々ありますよ。

 

f:id:haiji-gm:20170623172124j:plain

お礼と言わんばかりに撫でまくる!この触れ合いだけで微笑ましく、10分ほど続けてしまってましたw 嬉しそうなトリコの表情・・・・たまらん。

 

 ゲーム中盤あたりまで行くと、もうトリコとの確かな絆が感じられます。やって欲しいことをトリコもすぐに理解してくれるし、トリコが何をして欲しくて、何が気になるのか、こっちもすぐに分かる様になっています。

プレイ中にそれを実感できる場面が必ずある筈です。

 

f:id:haiji-gm:20170623173000j:plain

崩れ去る足場から少年をくちばしにくわえて猛ダッシュ!逃げてトリコぉぉ!!

 

 彼らはそこに「生きている」

 

このゲームは、美しくもどこか儚げな世界観への没入感を高めるため、HUD表示(体力バーなどの主人公の状態を表す数値やゲージ)などが一切ありません。そのせいか、自分と少年を重ねたり、トリコの息遣いや少しだけ漏らす鳴き声が聞こえてきて、「トリコがそこにいる」と、まるで本物の生き物のようにさえ感じられます。

 

f:id:haiji-gm:20170623174033j:plain

一緒に夕日を眺める。感慨深すぎて、PCの壁紙にしてます。

 

この世界観は、ディレクターである上田文人さんにしか作り出すことは出来ないでしょう。彼は以前にも「ICO」「ワンダと巨像という有名なゲームを世に出しています。どの作品も雰囲気がそれぞれ違うのですが、共通しているテーマがあります。それは、

 

"言葉に頼らなくても感じられるモノ" です。

 

最後までプレイを通して、私はそれを深く感じることが出来ました。

 

2009年のE3で発表を聞いてから、実に7年の歳月を経て発売された今作は、一度諦めかけたファンの期待通りの仕上がりだと思います。

皆さんも機会があれば是非!と強くお勧めできるゲームです。

 

トリコと忘れられない物語を一緒に紡いであげてくださいね!

 

 

それでは!!

 

※手ごろに上田さんの美しい世界観に触れてみたい!という方はゲーム「ICO」の小説版であるICO -霧の城-」をあの宮部みゆきさんが書いてくれてますので読んでみるのもお勧めですよ。読んで私はまた感動してしまった・・・・。